表題の件、事務局の加藤が下記に回答致します。
■□—文責:事務局 加藤 –
『安心な国産牛乳を生産する会』への問い合わせ 匿名希望さま
【1】 牛乳の消費活動
牛乳をもう一杯飲んでください。
乳製品買ってくださいなどの消費拡大運動は、酪農家の現在の窮状を助ける事には100%なりません。
消費が増えた売り上げの利益は、量販店や乳業メーカーの儲けとなり農家には還元されません。
消費は落ちていません。バターはかなり消費が増えています。
今や牛乳・乳製品は米と匹敵する食の主役です。無理やり飲め喰えでは病気になります。
時代の食生活の変化で消費は増減すれば良い!生産者は安全安心な物を的確に提供する!
酪農家の牛乳生産量は、消費量の変動で短期間に増やしたり減らしたりはできません。
通常年間取引価格や数量を決めて契約しています。
【2】 今の酪農情勢
牛乳の売り上げ代金で牛の食べる餌代金を支払えない酪農家が大半です。
特別な経営を除けば、ほぼ100%の酪農家が赤字です。
1頭一月2万円位の赤字です。100頭の搾乳牛いれば、年間2000万円以上の赤字です。
貯金や生命保険の切り崩し、返済予定の無い借り入れの繰り返しでしのいでいます。
酪農家の多くは、多額の負債を持っています。
(100頭の牛を飼うのに、土地の外に3億くらいの投資が必要です)つまり辞めるに辞められない!
自己破産や自殺は目前です。数例・・・
【3】 どうしたら解決するか
現在の収支を集めて計算すると、乳業メーカーが、あと牛乳1kg30円高く買ってくれたら大丈夫そうです。
しかし、乳業メーカーは簡単には乳価アップを認めてくれない。何故か
【3-1】 安い原乳価格の方が良いから
【3-2】 消費が落ちるのが怖い
農家の生産者価格が上がると乳業メーカー・流通・量販店も上乗せします。
一般的には生産者価格アップの2~3倍上乗せした値段がスーパー等の小売り価格です。
(上乗せの必要は?です)消費者の皆さんにはこの値上げを理解して頂きたい!
【4】 なぜこのような状況、誰が悪い
乳価を経営可能な価格にアップして頂ければ誰も悪くありません。
しかし、乳業メーカーは希望どおりの価格に乳価を上げてくれない!
この苦しい経営を助けてくれと国に訴えても雀の涙程度でお茶を濁す。
さらに乳業も農水省も屁理屈を並べる。
今、巷でグチャグチャに議論したり報道しているのは、この屁理屈理論の綱引きです。
【4-1】脱脂粉乳の在庫が多いから乳価上げられない
【4-2】減産してくれなきゃ乳価上げられない。 廃棄乳しろ
【4-3】生産量多いから牛を淘汰しろ、でもやめてはいけない
【4-4】哺乳子牛の売値が安すぎる。ミルク代にもならないので生まれたら直ぐに薬殺
(これは肥育農家も経営困難で子牛を買えないからです)
国産牛乳生産量は760万トンです。輸入乳製品は460万トンです。(生乳換算)
消費量は10年間1200万トン微増はしてますが平行維持です。ただ輸入が100万トン増えた。
つまり国産が100万トン減った。
日本の乳業会社は既に多国籍企業です。輸入を増やそうとする圧力は大きくあります。
食料危機が来ると言われている今、国産の農業漁業を衰退させる事は非常に危険です。
MoMoo Office 獣医師 加藤 博昭
e-mail momoo@cocoa.ocn.ne.jp
—文責:事務局 加藤 –□■
皆様、上記内容で不明点などありましたら、何なりとお申し付けください。
なお、匿名希望さまのお問い合わせをして頂き、当HPの記載内容が消費者の皆様向けの記載が乏しいと気が付きました。
お問い合わせありがとうございます。より良いサイト運営が出来るよう精進致します。